2008-09-25

Phillips訳についてmemo

回復への道(リック・ウォレン)」を読んでいるとPhillips訳(というか、いきなりPhillipsとかフィリップとだけ引用聖句後の括弧内にあるので「は?」という感じ)というのが目につく。
今まで知らなかった訳なので、ちょっと調べてみた。

Phillips, John Bertram(1906-82)
聖書翻訳家で、著述家、ラジオ放送も行った。
新約聖書の書簡を訳し、CSルイスの序文を得て「若き諸教会への手紙」(1947)として出版する。これは主に、第二次世界大戦中の文民義務の退屈さをまぎらわすためであったが、彼が、自分の行くサウス・イースト・ロンドンの教会の青年会の若者たちは<聖書用語>を全く理解していないと、気づいていたからである。真理を理解できるように表したいという思いと、翻訳をしたいという願いがひとつになって、彼は、パウロの手紙を若者の理解できる言語に訳したのである。そして彼は、期待以上に報われた。若者たちは、初めてパウロの言っていることが分かっただけではなく、パウロの言葉が「自分たちの時代にも深く関わることだ」と考えるようになったからである。各部分や、各書簡の前に注見出しと短い序の注釈をつけ、本文を節ではなく段落に区切り、節番号を各部分の最初にだけふってあるが、そうした形式の現代語訳の最初のひとつである。
フィリップスには五つの方針があった。
言葉は普通の口語でなければならない。原典の意味を保つためには言葉を足してもかまわない。出来上がったものは、神学論文ではなく手紙らしく読めなければならない。流れるような文章で書く。全体的な価値としてよみやすくなければならない。
この結果、翻訳と言うよりはパラフレーズ(言い換え)に近いものとなった。
・・・以下略。
(「英語訳聖書の歴史を知る辞典」A.ギルモア 著 / 本多峰子 訳:教文館より一部を抜粋して引用させて頂きました)

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